目次
◆裁判外紛争解決手続認証制度とは
◆行政書士会ADRセンターによる手続の流れ・費用
◆ADR認定制度の対象となる紛争
◆認証を受けた行政書士会
裁判外紛争解決手続認証制度とは
裁判手続によらずに当事者間の紛争を解決する制度を、ADRといいます。
訴訟外の和解、仲裁、調停等、形式は解いません。
ADRについては、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」(平成16年12月1日公布)
に規定されています。
* ADR=Alternative Dispute Resolution の略称
訴訟では時間と費用が掛かりすぎる。でも泣き寝入りしたくない。
お金をかけずに専門家の意見を聞きたい。
当事者間では話し合いにならないので、第三者機関に仲裁に入ってもらいたい。
法務省(法務大臣)がADRの専門機関としてお墨付きを与えた制度が、裁判外紛争解決手続認定制度です。
弁護士会・司法書士会のように、訴訟代理人となる資格を有する団体の他、
一般社団法人、NPO、業界団体が当事者間の紛争の仲裁、斡旋を行っています。
例:商品購入に関するトラブル → 国民生活センター等。
行政書士会が認定を受けたのは、「外国人の職場環境に関する紛争」、「ペットに関する紛争」、
「遺産相続」、「離婚」、「交通事故」、「敷金返還に関する紛争」の分野です。
損害賠償請求となれば、本来は非弁行為として禁止される民事紛争のはずですが、
市民生活に密着したトラブルであり、高度な法律関係にまで立ち入らずに解決が可能な場合も多いため、
前述の「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」では、非弁行為禁止(弁護士法72条)の
適用除外となることが明文化されています。
詳しくは、
「非弁行為について」
行政書士会主催のADRに関わることができる行政書士は、
該当分野に精通しており、なおかつ、業務経験が〇〇年以上という要件があるのが一般です。
司法書士が少額訴訟(訴額140万円以下の簡易裁判所管轄の事件)で訴訟代理人となることができたように、
行政書士も民事紛争の調停・仲裁にまで業務が拡大されてきたといえます。
行政書士会ADRセンターによる手続の流れ・費用
◆手続の流れ
・各行政書士会ADRセンターに予約をし、事前説明を受けたうえ、調停申込書を提出する。
主張の内容を裏付ける公的書類を添付する。
・相手方からも依頼があれば、ADRセンターが間に入り、調停が行われる。
・ADRセンターが当事者双方から個別に話を聞き、互いに顔を合わせることなく調停が行われる。
・調停期日が開かれると、時効が中断する。
・調停が合意に達すると、「合意書」が作成される。
・合意に達しなかった場合には、改めて裁判所に訴えを提起するか、家庭裁判所に調停を申立てることになる。
*調停は行政書士会が行うものであり、行政書士が本人の代理人として出席することはできません。
ただし、必要な書類の作成等を行うことはできます。
◆費用
【埼玉県の例】
・費用は申込時に3,600円、調停1回ごとに3,600円。
センター以外で話し合いを行う場合には1回5,400円+実費(交通費・宿泊費)
弁護士に相談した場合、相談料 30分 5,000円
実際に和解・示談として受任する場合には、20〜30万円の着手金と成功報酬が発生しますので、
格段に利用しやすい制度といえます。
裁判外紛争解決手続認定制度の対象となる分野
( )赤字は行政書士会が認定を受けた分野です。
◆民事紛争全般 (弁護士会・司法書士会)
◆特定分野の紛争
−商事全般
−知的財産
−消費者保護・特定商取引・製造物責任・留学トラブル・ブランド品に関する売買契約紛争
−事業再生
−中小企業の事業承継
−金融商品・共済契約
−労働関係 (社会保険労務士会)
−医事関係
−土地の境界(土地家屋調査士会)
−不動産の価格(不動産鑑定士協会連合会)
−外国人の職場環境等
(行政書士会)
− 愛護動物に関する紛争
(行政書士会)
−相続、婚姻関係、金銭の貸借及び交通事故による損害賠償に関する紛争
(行政書士会)
−マンションに関する紛争
(行政書士会)
−敷金返還に関する紛争
(行政書士会)
−不動産賃貸借に関する紛争(司法書士会)
−自転車事故に関する紛争
(行政書士会)
−
自動車の物損事故等に関する紛争
(行政書士会)
−外国人を当事者とした夫婦と親子に関する紛争
(行政書士会)
−夫婦関係等に関する紛争
(行政書士会)
−相続に関する紛争
(行政書士会)
−スポーツに関する紛争
−電力系統の利用に関する紛争
認証を受けた行政書士会
◆東京都行政書士会 行政書士ADRセンター東京
認証年月日 平成 21年05月25日
東京都渋谷区桜丘町31番14号岡三桜丘ビル7階
TEL:03-5489-7441
http://www.tokyo-gyosei.or.jp/
【取り扱い内容】
・外国人の職場環境等に関する紛争
・自転車事故に関する紛争
・愛護動物に関する紛争
・敷金返還等に関する紛争
◆愛知県行政書士会 行政書士ADRセンター愛知
認証年月日 平成 22年03月01日
名古屋市東区葵一丁目15番30号
TEL:052-908-3021
http://www.aichi-gyosei.or.jp/index.html
【取り扱い内容】
・外国人の職場環境等に関する紛争
・自転車事故に関する紛争
・愛護動物に関する紛争
・敷金返還等に関する紛争
◆京都府行政書士会 京都外国人の夫婦と親子に関する紛争解決センター
認証年月日 平成 22年04月21日
京都府京都市右京区西院平町25番ライフプラザ西大路四条7F7010号室
TEL:075-323-3131
http://www.kyoto-shoshi.jp/
◆新潟県行政書士会 行政書士ADRセンター新潟
認証年月日 平成 22年04月26日
新潟県新潟市中央区笹口3丁目4番地8
TEL:025-248-1038
http://www.niigata-gyousei.or.jp/
【取扱い内容】
・外国人の職場環境等に関する紛争
・愛護動物に関する紛争
・敷金返還等に関する紛争
・自転車事故に関する紛争
◆和歌山県行政書士会 行政書士ADRセンター和歌山
認証年月日 平成 22年05月25日
和歌山県和歌山市九番丁1番地(中谷ビル2階)
TEL:073-432-9775
http://www5.ocn.ne.jp/~adrwaka/
【取扱い内容】
・外国人の職場環境等に関する紛争
・自転車事故に関する紛争
◆神奈川県行政書士会 行政書士ADRセンター神奈川
認証年月日 平成 22年12月27日
神奈川県横浜市中区山下町2番地
TEL:045-577-6322
http://www.kana-gyosei.or.jp/
【取扱い内容】
・外国人の職場環境等に関する紛争
・自転車事故に関する紛争
◆兵庫県行政書士会 行政書士ADRセンター兵庫
認証年月日 平成 24年02月22日
神戸市中央区栄町通5丁目2−16 イトーピア栄町通ビル
TEL:078-371-8823
http://www.hyogokai.or.jp/
【取扱い内容】
・外国人の職場環境等に関する紛争
・自転車事故に関する紛争
・愛護動物に関する紛争
・敷金返還等に関する紛争
◆埼玉県行政書士会 行政書士ADRセンター埼玉
認証年月日 平成 24年06月04日
埼玉県さいたま市浦和区仲町3丁目11番11号
TEL:(048-833-1132
http://adr-saitama.com/
【取扱い内容】
・離婚紛争
・相続紛争
・交通事故紛争
・賃貸借建物紛争
◆北海道行政書士会 行政書士北海道ADRセンター
認証年月日 平成 25年05月20日
北海道札幌市中央区北一条西十丁目1番6北海道行政書士会館
TEL:011-221-1221
http://www.do-gyosei.or.jp
【取扱い内容】
・外国人の職場環境等に関する紛争
・敷金返還等に関する紛争