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初心者でも分かる!行政書士試験の勉強方法から合格後の開業まで

非弁行為・非弁活動 行政書士がやってはいけないことreal estate

非弁行為(非弁活動)とは


    「行政書士の業務内容」のうち、他の士業が権限を持つ分野に関しては業務を行うことができないという
   例外がありました。

    このうち特に問題となっているのが、弁護士法に抵触する「非弁行為(非弁活動)」です。

    非弁行為とは、報酬を得る目的で反復継続して弁護士業務(法律関係の紛争の代理等)を行うことをいいます。

    非弁行為に関しては弁護士法72条に禁止規定があり、
   違反すると「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金」(同法77条)の刑事罰を科される場合があります。

    つまり、最悪逮捕され、前科持ちになってしまうということです。
    禁固以上の刑を科されれると3年は仕事もできなくなります(行政書士法2条の2第4号参照)。
  

    非弁行為が何故禁止されるかというと、
   法律知識もないのに問題を解決してやると言って高い報酬をせびることを許せば、
   暴力団のような人たちが世の中に跋扈するようになってしまうので、それを防ぐためです。


    一般市民からすると、裁判沙汰にはしたくないけれど何とか法律問題を解決したいと考えて、
   身近な法律家である行政書士のところに相談する機会が増えました。

    行政書士は作成権限のある書類に関する相談であれば応じることはできますが、
   業務内容が多岐に渡るため、権限のない業務との境界線引きが難しいです。
   
    一度相談を受けてしまうと、ここから先は何もできませんと断るわけにもいかず、
   弁護士業務の領域を侵害しつつあるというのが現状です。
    中には違法と承知でやっている人もいるようですが・・・。

    現在は弁護士の数も増え、以前のように待っていれば仕事がやってくるという業界ではなくなったため、
   資格を持たない行政書士に職域を荒らされたとして、刑事告発されるケースも出てきました。

    弁護士の側からすればほとんど素人同然なのに何でもやっている!という感覚なのかもしれませんが、
   クレサラ事件が多かった時には司法書士にたいする刑事告発がなされ、
   クレサラバブルが弾け、交通事故の保険金請求がプチバブル化した時期には行政書士がターゲットになった
   と考えられなくもありません。


   なお、「裁判外紛争解決手続認定制度」により、
  一部の都道府県行政書士会では、特定分野の民事紛争を調停する機関を設けています。
   
   遺産相続、離婚調停等、今まで非弁行為とされてきた分野に関しても相談・斡旋・調停等を行っており、
   行政書士の業務は拡大しつつあります。

   詳しくは、「裁判外紛争解決手続認証制度」


非弁行為に該当する行為


  非弁行為となるのは以下の行為です。

  ◆訴訟事件、非訟事件、行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件

   (1)「訴訟事件」

      民事裁判、刑事裁判、行政裁判のことで、公開法廷で行われ、判決が出される裁判をいいます。

      簡易裁判所(訴額140万円以下)の事件では、弁護士・認定司法書士以外でも
     当事者の訴訟代理人となることはできますが、実際には身内等の利害関係人でないと
     裁判所の許可がでないため、ここで非弁行為が問題となることはまずありません。

   (2)「非訟事件」

      遺産分割をめぐる審判や親子関係等、判決で一刀両断には解決しにくい事件を
     裁判所の裁量により非公開の法廷で行う事件をいいます。

      非訟事件に関しても裁判所が関与する手続ですので、非弁行為はほとんど問題になりません。

   (3)「行政庁に対する不服申立事件」

      例えば飲食店が営業許可の取消を受けた場合に、納得がいかないと取消処分をした役所に不服申し立てをす     る事件をいいます。

      本来行政関係は行政書士の領域のように思われますが、行政書士に与えられた権限は不服申立に関する       書類を作成する等行為に限られ、裁判手続と類似する「聴聞・弁明」を代理する権限はありません。
     
   (4)「その他一般の法律事件」

      法律関係の権利義務に関する争い、またはその疑義のある事件、将来発生が予測される事件をいいます。

      「一般の法律事件」に該当する例

      ・自賠責保険金の請求・受領
      ・債権者の委任に基づく請求・弁済受領・債務免除
      ・自由刑の執行延期申請
      ・賃貸借契約を解除し、建物からの退去・明渡しの事務を行うこと
      ・登記・登録の申請、特許等の申請、裁判外紛争(ADR)解決機関に対する各種申立

    
      非弁行為が最も頻発するのがこの分野です。

     例えば、当事者間で交渉が成立した後に依頼されて合意書を作成しただけであれば、
    争いのない権利義務に関する書類を作成するという業務の範囲内ですが、
    交渉中から関与して合意書を作成したのであれば、紛争中の一般の法律の事件ということで
    違法となります。

     行政書士業界では適法となる範囲を広く解釈し、職域を争う弁護士や司法書士は
    かなり狭く解釈する傾向があるので、身近な行政書士が行っている業務だからといって
    適法な行為とは限らないことに注意が必要です。


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